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【第19回】心筋梗塞の心電図は出る順番が大切

 

 

みんなの心電図

〜非専門医のための読み方〜

 

第19回 心筋梗塞の心電図は出る順番が大切

 

 

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これまでの記事はこちら

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これまで説明してきた機序をふまえて,
急性心筋梗塞の心電図の経時的な変化を説明します.
復習がてら流して読んでみてください.

 

(1)
心筋梗塞の超急性期は細胞外K濃度が上昇します.
するとチャネルが活性化されて
T波の高さが増します(T波増高第15回〕).

 

(2)
次に貫壁性虚血が生じると虚血部位では
拡張期には脱分極,収縮期には過分極傾向となることから
ST上昇が起こります(第16回).

 

(3)
さらに,心筋壁が貫壁性に死んでしまうと
window(窓)現象が生じて,
正常では心電図に反映されない,電極の対側の
心筋の電流(電極から離れる)により
異常Q波と呼ばれる深いQ波が出現します(第17回).

 

(4)
最後に拡張期に壊死組織の周辺にある
障害心筋細胞から正常心筋細胞に向かって
流れる(電極から遠ざかる)電流が
冠性T波と呼ばれる陰性T波として出現します(第18回).

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これら4つの所見うち,
急性期を過ぎても確実に残る所見は異常Q波だけです.
このため異常Q波は陳旧性心筋梗塞の目印として扱われます.

 

 

 

今回のまとめ
●急性心筋梗塞の心電図所見は
(1)T波増高 (2)ST上昇 (3)異常Q波 (4)冠性T波
の順番で出現する.

 

 

著者:Dr. ヤッシー
内科医.心電図読影へのあくなき探求心をもち,
循環器非専門医でありながら心電図検定1級を取得.
これまでに得た知識・スキルを臨床現場で役立てることはもちろん,
教育・指導にも熱心.若手医師だけでなく,
多職種から勉強会開催の要望を受けるなど,頼られる存在.

 

 

→【第20回】心内膜下虚血の心電図 ST低下

 

–「みんなの心電図」目次–

【第1回】連載のコンセプトと自己紹介
【第2回】初学者はなぜ,心電図を苦手と感じているのか?
【第3回】心電図でわかること,わからないこと
【第4回】近づく電気,離れる電気
【第5回】電極のつけ方と基本波形
【第6回】P波はⅡ誘導とV1誘導を見よ (刺激伝導系その1  心房の伝導)
【第7回】心房から心室へは1本道(刺激伝導系その2 房室結節の伝導)
【第8回】心室壁の高速道路と一般道 (刺激伝導系その3 ヒス-プルキンエ線維の伝導)
【第9回】心室壁はつっかえないように縮んで,伸びる(QRST波形理解の下準備その1)
【第10回】パッチクランプ法でみる細胞1粒の活動電位(QRST波形理解の下準備 その2)
【第11回】QRST波形の成り立ち(刺激伝導系その4 心室の興奮と弛緩)
【第12回】QRS波の胸部誘導でのグラデーションを感じよう
【第13回】心電図を確認する眼の動き
【第14回】冠症候群の診断は合わせ技1本
【第15回】心筋梗塞の心電図の成り立ち (1)T波増高
【第16回】心筋梗塞の心電図の成り立ち (2)ST上昇
【第17回】心筋梗塞の心電図の成り立ち (3)異常Q波
【第18回】心筋梗塞の心電図の成り立ち (4)冠性T波
【第19回】心筋梗塞の心電図は出る順番が大切
【第20回】心内膜下虚血の心電図 ST低下
【第21回】ST変化の鏡面像(Mirror image)
【第22回】冠血流域と誘導の対応関係
【第23回】速読式 心拍推定
【第24回】速読式 QT延長推定と基礎疾患
【第25回】頻脈の読影が心電図では最も難しい
【第26回】頻脈性不整脈の分類 (1)上室性と心室性
【第27回】頻脈性不整脈の分類 (2)上室性頻脈の種類

 

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